遺品整理業者のサービスを利用する際は、悪徳業者に巻き込まれないように、正しい業者を見極めるように注意しましょう。
遺品整理サービスでは高額な費用がかかるため、依頼内容に見合ったサービスが提供されるのか、遺品整理業でのトラブル事例と対策、法的な側面からもしっかり確認しておきましょう。
本記事では、遺品整理業者とのトラブル事例、注意点、トラブル後の対処法について解説します。
【目次】
遺品整理業者とのトラブルが多い背景
遺品整理業者に関しては、業法や法令上の定義がなくサービス内容の範囲が明確でないため、遺品整理業者と消費者の間でトラブルが発生しやすい状況となっています。
総務省の調査によると、調査対象となる69社の遺品整理業者の大半が、事業許可等の兼ね合いから他の事業(廃棄物処理業、ハウスクリーニング、道路貨物運送業、建設業、 冠婚葬祭業、便利屋 、リサイクルショップ)などの兼業事業者であることがわかっています。
また、遺品整理サービスの業務内容によっては、公的な許可として「一般廃棄物収集運搬業の許可」および「古物商許可」等の取得が必要となっています。
ただし、総務省が行った公的な許可の有無についての調査では、69社中、無許可である事業者も存在しており、利用者とのトラブルを引き起こす要因となっています。
一方、全国の消費生活センターには、遺品整理業者とのトラブルについて消費者より「高額な追加料金が発生した」「処分しない予定の遺品が処分された」などの相談が多く寄せられています。
トラブルとなる理由としては、気軽にサービスを利用したことで問題となるケースがあります。サービス利用者は、故人と別居していて疎遠である場合や、ご遺族様の仕事が忙しくて第3者に遺品整理を頼みたいことから、遺品整理業者のサービスを選択する人が多くなっています。
【遺品整理業者とトラブルになる主な理由】
遺品整理業者の業務範囲が曖昧であること
公的許可なしで運用している事業者もいること
利用者がサービス内容を把握せずに依頼してしまうこと
上記の理由を踏まえて、遺品整理業者のサービスを利用する際は、業者の業務内容や公的許可の確認をして、多忙を理由に第3者に丸投げをせずに適切な判断をしながら行うことが大事です。
【参考】
遺品整理業者のトラブル事例
遺品整理業者に依頼する際は、もしもに備えて騙される手口を知るためにも、トラブルの事例について確認しておきましょう。
特に、不当な費用、遺品の取り扱いが不適当であったりするケースが多く発生しています。
高額な請求や不当な追加請求をされた
遺品整理の作業が終了してから高額な請求がされたり、作業途中で追加請求されたりする被害が発生しています。
業者に依頼する際は、事前に見積書の内容を確認して、途中で追加請求が発生しないように納得してから契約するようにしましょう。
また、事前に確認していても、不当な請求と脅しがあった場合は、速やかに消費者センターなどの機関に相談して適切な指導を受けるようにしましょう。
相場以下の費用で買取された
遺品整理業者の中には買取業を兼ねている会社もあります。遺品の買取においては、正しく査定を行って買取する必要がありますが、悪徳業者の場合は、相場以下の価格で取引を行い利用者が騙されるケースもあります。
遺品の買取を希望する場合は、専門知識のある遺品査定士に鑑定を依頼し、正当な価格で買い取りができるように注意が必要です。
貴重品や金品などを盗まれた
遺品整理業者が作業中に、部屋に置いてある貴重品や金品を盗んで逃亡してしまうケースがあります。特殊清掃の場合は特に、立ち合いを必要としないため、貴重品の盗難リスクが高くなります。
もし、立ち合いなしで作業員に任せる場合は、貴重品関係はあらかじめ移動して自分で管理できるようにしましょう。また、遺品整理を行う際は、ご遺族様が誰か立ち会うことで盗難の問題が解消されます。
遺品を不法投棄された
遺品整理で処分を頼んだものを業者が山奥や空き地などに不法投棄するケースがあります。
正しくは、遺品の種類によって廃棄処分の方法が変わってくるため、自治体のルールにそって対応することが必要です。
不法投棄の罰則は、法第25条により、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金です。
依頼者の知らないところで法を犯した状況が起きた場合、不法投棄の罰を被らなくてはならない可能性もありますので、業者の選び方には十分注意が必要です。
解約時に高額なキャンセル料を請求された
解約で高額なキャンセル料を請求されるケースもあります。強引な脅しや請求を断り切れずに大きな被害を受けることもあります。
基本的には、訪問販売に該当する遺品整理サービスはクーリングオフの対象となるため、契約から8日以内であれば解約することができます。
クーリングオフの対象期間では、違約金などの義務はありません。
粗雑な作業で遺品が壊れてしまった
遺品整理の作業中に粗雑な扱い方で壊れてしまうケースがあります。特に高額な品の場合は、損害のリスクが高くなります。
遺品整理を依頼する際は、契約前に業者に保険の加入状況を確認し、適切な補償があるかを確かめましょう。
【遺品整理業者が加入している主な保険】
事業総合保険:作業中に発生する事故・トラブルに対応できる
責任保険:第三者に損害を与えた場合に対応できる
労災保険:遺品整理中の作業員の怪我や病気に対応できる
遺品の運搬保険:遺品の運搬中に発生する事故・トラブルに対応できる
契約後、作業が実施されなかった
契約した後に作業が行われずに前払い金が返却されないケースや、契約した期間中に作業が完了せずに中途半端な状態で終わってしまうケースなど、不当な契約と作業で問題となった事例があります。
悪徳業者の被害は、契約内容違反や高額な費用で騙されるケースがあり、一度関係してしまうと要望通りにいかないことが多くなります。
トラブルになりやすい遺品整理業者の特徴
では、遺品整理業者に騙されないように、悪徳業者の特徴や手口について確認しておきましょう。
見積料金が安すぎる
遺品整理の費用は、作業を行う部屋の間取りと作業員の人数によって費用相場が決まっています。したがって、見積りの金額が相場よりも安すぎる場合は注意が必要です。
契約前に見積りをチェックする際は、費用相場を知ってから金額を確認し、安すぎる、または高すぎる場合は、依頼を辞めるようにしましょう。
以下は、一般的な遺品整理サービスの費用相場です。事前に確認して不当な見積書を見極めましょう。
間取り | 費用相場 | 作業の人数 | 所要時間 |
---|---|---|---|
1R・1K | 30,000円 ~ 90,000円 | 1~2 | 1~3 |
1DK | 50,000円 ~ 130,000円 | 2~3 | 2~5 |
1LDK | 80,000円 ~ 200,000円 | 2~4 | 2~6 |
2DK | 90,000円 ~ 270,000円 | 2~6 | 3~7 |
2LDK | 120,000円~ 300,000円 | 3~6 | 4~8 |
3DK | 150,000円~ 380,000円 | 3~7 | 5~10 |
3LDK | 170,000円~ 520,000円 | 4~10 | 6~12 |
4LDK | 230,000円~ 620,000円 | 4~12 | 7~15 |
訪問しないで見積もりを出してくる
遺品整理の現場を見ないで見積りを出してくる業者は、信頼性に欠けるため注意しましょう。見積りを出すには遺品整理をする部屋の間取り、遺品の種類と数について調査してから出すのが通常です。
作業する場所の状況を知らないで見積りを出す時点で、悪徳業者だと判断しましょう。
公的な許可を得ていない
遺品整理を行う業者は、公的な許可証が必要です。遺品整理業者は、一般廃棄物の運搬処理のために「一般廃棄物収集運搬業許可」を保持している業者と提携していることが必要です。
遺品の買取を行う場合には「古物商許可」が必要となるため、業者を選ぶ際にはこれらの許可の有無や提携状況を確認しましょう。
また、遺品鑑定士の資格取得者が在籍していると信頼度があがり、依頼する目安になります。
業者の情報を公開していない
遺品整理業者の情報をチェックする際は、ホームページの記載内容から、実績や経験、公的な許可の有無、会社情報などを確認できます。
しかし、ホームページから基本的な情報が見つからない場合は、信用する基準がないため依頼するのは見送りましょう。
書面で契約しようとしない
契約に必要な見積書や契約書などを書面で行わない業者は注意が必要です。
口頭での契約は、危険なリスクが伴います。
しっかり書類上の契約を行うように気を付けましょう。
遺品整理業者とのトラブルに遭わないためには
遺品整理業者と利用者が、お互いが平等な立場で相談し契約を交わすことができるようにしましょう。
一方的な契約内容で進んでしまわないように、大きな被害にまきこまれないようにトラブル回避の対処法を確認しておきましょう。
遺品整理士の在籍を確認する
遺品整理を行う際は、資格を必須とはなっていませんが、優良業者を選ぶためには、遺品整理士の資格取得者が在籍している会社であるか確認すると良いでしょう。
遺品整理士は、「一般社団法人 遺品整理士認定協会」の民間資格です。遺品整理の専門家として業務に遂行できるため、サービス利用者から信頼度を得ることができます。
見積りは内訳を記載してもらう
見積書は、内訳がわかる内容を依頼しましょう。内訳がわかることで他社との比較や、相場からの判断もしやすくなります。
内訳をチェックできれば、見積書の透明性が確保できて、作業内容についても把握しやすくなります。
複数の遺品整理業者に見積もりを取る
一社のみの見積書では、費用相場や作業内容の正当性が判断できないため、必ず複数社に見積依頼して比較しながら検討しましょう。
また、後から追加請求が起きないように、詳細をしっかり確認して作業内容について把握しておくことが必要です。
貴重品や現金は回収しておく
作業中の盗難防止に、作業前に貴重品や現金などは回収しておきましょう。
後から問題が起きやすい状態を作らないように、気持ちよく作業できる環境を準備しておきましょう。
遺品整理業者のトラブルに遭った場合
万が一、遺品整理業者とのトラブルに遭った場合は、消費者センターや警察に相談して適切な対処法でサポートを受けるようにしましょう。
消費者センターは、消費生活に関わる相談や苦情を受け付けて、問題を解決してサポートする機関です。
悪徳業者の不当な行為で困っている場合は、自分だけで抱え込まずに消費者センターに速やかに相談しましょう。
また、危害のリスクが高い状況では警察に連絡しましょう。
遺品整理サービスでは優良な業者を見極めましょう
遺品整理は、間違った業者に依頼した場合、高額費用の被害や作業内容を怠ったりして、故人の思い出を汚してしまうケースが発生します。
故人を尊重する意味でも、優良な業者を見極めて、厳かに作業を依頼できるようにしていきましょう。
大阪の遺品整理業者・ストーリーズ株式会社は、遺品整理のプロが在籍する会社です。お客様の要望に沿って最後まで気持ちよく作業が終えられるようサポートを行っています。
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