遺品整理と生前整理は似たような言葉ですが、行うタイミングや目的が異なります。遺品整理は亡くなった方の身内の方が行いますが、生前整理は自分が元気なうちに行います。
本記事では、遺品整理と生前整理の違いについて詳しくご紹介します。生前整理のメリットややり方についても解説するので、生前整理について知っておきたいという方は参考にしてください。
【目次】
遺品整理と生前整理の違いとは
遺品整理と生前整理は「誰が行うのか」「いつするのか」で異なります。それぞれの意味や目的についてみていきましょう。
生前整理とは
生前整理とは、本人がまだ元気なうちに自分の所有物や財産などを整理・処分することです。一般的には、本人が自ら行いますが、高齢者や病気などで体が弱っている方は、本人が同意すれば家族が手伝うこともできます。
近年、自分が亡くなったあとに家族へ迷惑をかけたくないという考えから、生前整理を行う方が増えています。
遺品整理との違い
遺品整理は、亡くなった人の荷物を整理することです。亡くなった方が住んでいた自宅や部屋を片付け、不要なものは処分します。
生前整理は自分自身が行いますが、遺品整理は遺族が行うのが一般的です。
生前整理のメリット・デメリット
生前整理をすれば遺族にかかる負担を減らせるのが大きなメリットといえますが、デメリットもあります。生前整理をするには、事前にメリット・デメリットを理解しておきましょう。
メリット①遺族の負担を軽くできる
生前整理を行っていれば、遺族が行う遺品整理の負担を軽くできます。遺品整理は、遺族の悲しみも癒えてないタイミングから行わなければいけないケースもあり、負担が大きく大変な作業です。
生前にある程度整理しておくことで、遺族の負担を軽減できます。さらに、遺族に対する最後のやさしさにもなるでしょう。
メリット②生活がすっきりする
生前整理は、不要なものを処分していく作業も多くあるため、進めて行くうちに自分の生活もすっきりしていきます。荷物が減っていくことで、心の負担も軽くなり生活も快適になるでしょう。
とくに、生活の中の荷物が減ることは、高齢者にとってプラスになることばかりです。転倒やケガの心配も少なくなり、掃除も楽になるため、安全に生活できるようになるでしょう。
メリット③相続トラブルを未然に防げる
生前整理で遺言や財産についてわかりやすく残しておくことで、遺族間の相続トラブルを未然に防げます。誰にどの財産を引き継ぐかを明確にしておくことで遺産分割がスムーズに行えるでしょう。
ただし、遺言書を作成する場合、自分の意思だけで決定するのではなく、家族と話し合い希望や意向を共有しておくことも大切です。
デメリット
生前整理をしておくことで、亡くなったあとの遺族の負担を減らせるメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。
時間と労力がかかる
費用がかかる場合がある
日常の生活を送りながら生前整理するには計画的に進めることが大切です。荷物が多ければ多いほど体力的な負担も大きくなります。
また、遺言書の作成や財産分与などに関して、専門家に依頼する場合は費用がかかります。遺言書は決められた方法で作成しないと効力を発揮しないため、プロに依頼したほうがスムーズに作成できるでしょう。
生前整理のやり方
生前整理はいくつかのポイントをおさえて進めることでスムーズにできます。ここからは、生前整理のやり方について詳しく解説するので参考にしてください。
身の回りの整理
遺族が遺品整理をする際、荷物が多いことが大きな負担になります。そのため、身の回りの整理は必ずしておきましょう。
自分が不要なものを積極的に処分しておくだけでも遺族の負担は軽減されます。どうしても、処分に迷ってしまうものは、自分が亡くなったあとどうして欲しいかなど細かくエンディングノートに記載しておくといいでしょう。
不用品処分
今後生活していくうえで必要ないものは不用品として処分しておきましょう。不用品処分の方法は以下の表を参考にしてください。
処分方法 | 詳細 |
---|---|
リサイクルショップ | 家具や家電、衣類などはリサイクルショップなどで売却する |
廃棄 | 壊れているものや使用できないものは自治体のゴミ回収サービスを利用する |
オークション、フリマアプリ | 趣味で集めたものやコレクションなどはオークションやフリマアプリで売る |
家族や友人への譲渡 | 思い出のあるものや希望者があれば譲渡する |
寄付 | まだ使えるものは福祉施設や慈善団体に寄付も検討する |
多くの荷物を一気に整理するのは大変なので、できるところから少しずつ進めましょう。
オークションやフリマアプリは売れるまでに時間がかかることもあるため、少しでも速く整理したい方はリサイクルショップを利用するのがおすすめです。
財産の整理と管理
お金に関することは、残された遺族の間でトラブルになりやすいため、わかりやすく整理し、管理しておくことが大切です。自分の持っている銀行口座やクレジットカードを確認し、今後必要ないものは解約しておきましょう。
銀行口座は複数持っている方も多く、なかにはほとんど利用していない口座もあるものです。また、クレジットカードも複数持っていると、遺族は1つずつ解約手続きをする必要があるため、大きな負担になります。
不要なものは全て解約し、残しているものはノートなどにまとめてメモしてカードなどと一緒に保管しておきましょう。
財産目録やエンディングノートの作成
生前整理をする際、財産目録やエンディングノートを作成しておくと、死後の相続手続きなどがスムーズに行えます。財産状況やエンディングノートの内容は日々変わることもあるため、定期的に見返して内容を更新していくことがポイントです。
また、遺言書は法的拘束力を持ちますが、エンディングノートは法的拘束力を持たないため、気軽に書けるのがメリットです。死後の希望や家族へのメッセージなどがあれば書いておきましょう。
遺品整理で行うこととは
ここからは遺品整理で行うことについてご紹介します。それぞれチェックしておきましょう。
遺品の仕分け
遺品整理ではまず必要なものと不要なものの仕分けをします。主に、重要な書類や貴重品、思い出の品などを仕分けする作業です。
亡くなった方が生前整理を行っている場合は、ある程度片付いているため、親族だけで作業してもそれほど負担にはならないでしょう。しかし、生前整理が行われていなかったり荷物の量が多かったりすると手間と時間がかかるため、専門の業者で依頼するのがおすすめです。
不用品の処分
遺品整理が完了したら、不用品となったものを適切な方法で処分しましょう。自治体が定めるゴミとして処分できるものは、処理区分に合わせて分別をし、ゴミとして処理します。
遺品整理を専門業者に依頼した場合は、作業が終わったあと業者が不用品を回収して処分してくれます。自分で処分すればコストはかかりませんが、業者に依頼すれば手間は省けますが費用はかかります。自分の予算と手間を考えて選択するとよいでしょう。
遺言書やエンディングノートの確認
遺品整理を行う際は、遺言書やエンディングノートがあるかどうかを確認しましょう。亡くなった方が、遺言書やエンディングノートを作成していれば、財産に関することや家族へのメッセージなどが書かれているケースがあります。
エンディングノートは、机の引き出しや本棚などどこに保管されているかわかりません。生前、保管場所を聞いてない場合は、見落としがないよう隅々を探してみましょう。
生前整理・遺品整理の費用
生前整理と遺品整理の費用相場は以下を参考にしてください。
間取り | 生前整理の費用相場 | 遺品整理の費用相場 |
---|---|---|
1R・1K | 3〜8万円 | 3~8万円 |
1DK | 5〜12万円 | 5~12万円 |
1LDK | 7〜20万円 | 7~20万円 |
2DK | 9〜25万円 | 9~25万円 |
2LDK | 12〜30万円 | 12~30万円 |
3DK | 15〜40万円 | 15~40万円 |
3LDK | 17〜50万円 | 17~50万円 |
4LDK以上 | 22〜60万円 | 22~60万円 |
生前整理も遺品整理費用相場はほとんど同じです。ただし、どちらも荷物の量により金額は大きく異なります。
作業労力の負担が大きい場合や時間がかかる場合などは、上記の金額よりも高くなる可能性があります。
生前整理・遺品整理業者の選び方
ここからは、生前整理・遺品整理業者の選び方についてみていきましょう。業者を決定したあとに後悔することがないよう、見極めポイントをしっかり確認しておくことが大切です。
複数の遺品整理業者の見積もりをとる
生前整理・遺品整理どちらの業者も価格帯は各社異なります。そのため、同じサービスでも安価なところや、反対に高額な見積もりをするケースがあります。
そのため、見積もりは必ず複数の業者から取り、1社だけの見積もりで決定しないようにしましょう。また、比較サイトやランキングサイトを参考にする場合も、複数のサイトを必ずチェックし、比較するのがおすすめです。
できれば、電話やメールだけで見積もりを依頼するのではなく、実際に足を運んでもらい現場を見てもらってから見積もりを出してもらいましょう。そうすることで、あとで追加料金の請求などの心配がありません。
遺品整理士の資格はあるか
遺品整理に携わる資格で「遺品整理士」があります。遺品整理士は「遺品整理士認定協会」が認定する民間の資格に合格した証です。この資格を持っている業者は、亡くなった方の遺族に寄り添いながら整理してくれます。
ただし、遺品整理士の資格がなくても遺品整理業はできるため、業者を決定する際の基準として考えましょう。
不用品を適切に処分できる業者か
不用品を処分するには「一般廃棄物収集運搬許可証」が必要です。一般廃棄物収集運搬許可証を持っていない業者に依頼すると、不法投棄や作業後に高額請求に巻き込まれる可能性があるため、注意しましょう。
また、不用品の無料回収を行っている回収業者は一般廃棄物収集運搬許可証を所持せず無許可の可能性があるため避けたほうが無難です。
遺品整理や生前整理はポイントをおさえて進めることが大切!
遺品整理と生前整理は、行うタイミングや目的が異なります。亡くなった方の親族が行うのが遺品整理ですが、生前整理は自分が元気なうちに行います。
生前整理で身の回りのものを片付けておけば、遺族の負担は軽くなるでしょう。
大阪の遺品整理業者・ストーリーズ株式会社では、遺品整理や生前整理などさまざまなお客様の要望に応じてお手伝いさせて頂いております。お客様に信頼して利用いただくために、お見積にうかがったスタッフが、当日の実作業からアフターフォローまでを一貫して担当いたしますので安心しておまかせください。
遺品整理で依頼を検討されている方は、お気軽に当社までご相談ください。
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